寒さの余韻がやわらぎ、日差しが少しずつやさしく感じられる頃になると、台所にも春の気配を迎え入れたくなります。桃の節句のひな祭り、そして桜を眺めるお花見。日本の春の行事は、季節を祝うと同時に、家族や大切な人と同じ食卓を囲むきっかけを与えてくれる大切な時間です。
そんな春の食卓に華やかさを添えてくれるのが、ちらし寿司や押し寿司です。色とりどりの具材をのせると、春の花とあいまって眼福です。
今回は押し寿司をご紹介します。木枠の寿司型を使う方法と、身近な道具で代用する方法もご紹介します。意外と簡単にできるので、ぜひ最後までご覧ください。
押し寿司の魅力
押し寿司は切り分けたときの断面が美しく、お祝いの席にふさわしい整った仕上がりになります。
型に酢飯を敷き、具材を彩りよく並べ、もう一度ご飯を重ねてから軽く押します。具材は自由に楽しめますが、5色の考え方を意識して選んでみました。
菜の花の緑、錦糸卵の黄色、椎茸の黒、ラディッシュの赤、とびこと海老のオレンジと色が重なっていく様子は、まるで箱の中に春を詰めていくような感覚です。形がそろうことで食卓がぐっと華やかになり、お祝いの席にもよく映えます。
五色の考え方
和食には五色(白・黄・黒・赤・緑)を大切にする伝統があり、それぞれの色に意味や願いが込められています。
<五色の意味>
- 白(清らかさ):ごはん
- 黄(豊かさ):錦糸卵など
- 黒(滋養):椎茸、海苔、塩昆布など
- 赤(魔除け):ラディッシュなど
- 緑(安らぎ):菜の花など
今回はここに長寿の縁起物でもある海老🦐も入っています。色を意識して食材を選ぶだけで、日本の伝統と願いが食卓に宿る——それが和食の奥深さであり、日本の文化のやさしさといえます。
木枠を使った押し寿司

<材料>
- ご飯1合(すし酢と合わせ寿司飯)
- 椎茸6個(スライスして甘辛く含め煮)
- 卵一個(錦糸卵)
- サラダエビ2尾(半身のスライス)
- 菜の花1束(茹でて胡麻和え)
- ラディッシュ適量(自家製ぬか漬け使用)
- とびこ適量

<作り方>
①米1合(ごはん2杯分ほど)の寿司飯を準備する
②ラップを敷いた木枠にスライスしたサラダ海老を並べる(半身にスライスした方がまとまりやすい)
③錦糸卵、菜の花、※ぬか漬けラディッシュを順番に彩りを考えながら配置する。その上に寿司飯を半分のせたら一度ラップで平らに押し固める
④椎茸の含め煮をきれいに敷き詰める
※みっちーのHopeBlog ▶️ぬか漬け記事はこちら

⑤敷き詰めた椎茸の上に残りの寿司飯を重ね、ラップと蓋で押し固める
⑥整えたら上のラップは開いておく
⑦蓋を取り、ラップを広げたら、大きめの皿を木枠にかぶせてひっくり返す
⑧ラップを静かにはがしたら完成

詳しい作り方の全編動画はこちらから
▶️YouTube【春色押し寿司】
身近な型で作れる、気軽な押し寿司
木枠がなくても押し寿司は作れます。パウンドケーキの型や保存容器(タッパーウェア)、牛乳パックなど、四角く深さのある型で代用できます。
ラップを敷いてから酢飯を詰めると取り出しやすく、きれいに形も整います。特別な道具がなくても、家にあるもので季節の料理が完成します。塩サバをのせれば鯖の押し寿司、薬味をしっかり入れると絶品です。
押し寿司の魅力は、季節の食材を楽しみながらアレンジが無限に広がることです。菜の花やえびを使えば春らしく、鮭やハムを使えば子どもも食べやすくなります。冷蔵庫にある食材を少しずつ並べるだけで、その家ならではの祝い寿司が出来上がります。
パウンド型で作った押し寿司

こちらはレトルトの寿司種を使って、塩昆布をサンドして簡単に作ってみました。
忙しい時でもあっという間に作れます
食卓を囲む時間こそ、春の行事
切り分けて皿に並べると、自然と会話が生まれます。豪華な料理をそろえることよりも、同じ食卓を囲むことに意味があると感じます。
ひな祭りは子どもの健やかな成長を願う日、お花見は季節の訪れを喜び合う日です。毎年同じ時期に同じ料理を用意すると、去年の出来事や会話が自然と思い出されます。料理は味だけでなく、記憶も一緒に残してくれる存在なのだと感じます。
桜のつぼみがふくらむ頃、台所でご飯を詰め、彩りを重ねるひとときが、家族の一年に静かな思い出を残してくれます。春の食卓にやさしい祝い寿司を添えて、日本の季節の美しさを味わいましょう。
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