佐賀に子どもの放課後を豊かな学びの時間にする「放課後スクール」がある。
佐賀市高木町にある夢の学校です。
今回は夢の学校が子ども達の放課後を成長が詰まった時間にする取り組みについて紹介していきます。

成長が詰まった放課後を
40年ほど前の放課後。子どもたちは学校が終わると、ランドセルを置いてすぐに外へ飛び出していきました。広場や路地には、1年生から6年生までが一緒になって遊ぶ姿があり、自然とお兄さんお姉さんが小さな子を見守り、リーダーが育っていく場でもありました。
ゲームもスマホもない時代、子どもたちは知恵を出し合い、工夫しながら夢中になって遊ぶ。そこには、学校では学べない「発想力」や「協調性」を育む豊かな学びがありました。
しかし今、そんな放課後は姿を消しています。子どもを見守る近所のおじちゃんおばちゃんはいなくなり、遊び場だった空き地もなくなりました。安心して遊び、成長できる場が減ってしまったのです。
ストレスなく過ごせる空間作り
夢の学校には、現在、小学1年生から6年生まで約25名の子どもたちが在籍し、毎日放課後をここで一緒に過ごしています。
1年生の子どもたちは、誰かに教えられるのではなく、上級生のお兄さんやお姉さんの姿を見て自然と過ごし方を学んでいきます。帰ってきたら元気に「ただいま~!」と声をかけ、自主的に宿題に取り組みます。宿題が終われば、お待ちかねのおやつタイムです。
夢の学校のおやつは、子どもたちのお腹を満たすだけでなく、健康的な成長も意識しています。スナック菓子や添加物の多い食品は避け、愛情たっぷりのおにぎりが定番です。子どもたちにとっては、おにぎりの味が「夢の学校の味」でもあります。
おやつの後は、プログラムが始まるまでの自由時間。遊んだり、本を読んだりと、それぞれが思い思いに過ごします。夢の学校が大切にしているのは、ここを「もうひとつの我が家」のように、子どもたちが安心してリラックスできる場所にすることです。先生たちは、時にお母さんのように、時にお兄さんやお姉さんのように、子どもたちを温かく見守っています。
夢の学校の取り組み
夢の学校は、子どもたちがリラックスして過ごすだけの場所ではありません。ここでの時間を通して、成長に欠かせない多くの体験ができることも大きな特徴です。
例えば、空手道の稽古。真っ白な空手衣に身を包み、真剣なまなざしで技に取り組む子どもたちの姿は、凛々しくも愛らしく、思わず背筋が伸びるほどです。
英語学習では、基礎を大切にしながら世界に目を向ける指導が行われています。楽しみながら自然と力をつけていくことで、子どもたちの未来の可能性が広がっていきます。
そのほかにも、アロマテラピー、書道、能楽やお琴といった、日本文化や感性を育むプログラムも豊富。ここでしか体験できない学びが、子どもたちの日常に彩りを添えています。
こうした多彩な活動を通して、子どもたちが確実に成長していることを、私たちは日々実感しています。


夢の学校が目指すもの
夢の学校では、小学3年生から「リーダー養成プログラム」に参加します。これは、将来どこにいても必要とされるリーダーとしての資質を育てることを目的とした取り組みです。
昨年度は「おにぎりプロジェクト」を実施しました。子どもたち自身がアイデアを出し合い、新しいおにぎりを考案。その具材や原価をもとに販売価格を決め、さらに中小企業診断士の先生から「商品を売るために大切な心構え」について学びました。
販売当日、子どもたちは自分たちの力で進めた企画を堂々と発表し、逞しく成長した姿を見せてくれました。企画は大盛況となり、子どもたちにとって忘れられない経験となりました。
夢の学校が目指しているのは、ここで育った子どもたちが将来どこで生きていくにしても、自分の役割を果たし、自分の居場所を自らつくれる力を身につけること。そのために、子どもたちの「リーダーシップ」と「生きる力」を大切に育んでいます。
まとめ
夢の学校は、子どもたちにとっての「居場所」であり、「学びの場」です。ここには、かつての放課後の広場のように仲間が集まり、ともに成長し合う時間があります。
ここで育った子どもたちが、未来にどんな活躍を見せてくれるのか――今からとても楽しみです。

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