頑張り過ぎているあなたへ――空手道師範が語る、肩の重荷の正体

師範のひとり言

毎日毎日、時間に追われ、
「とにかく時間が足りない」
そんな感覚の中で生きている人は、多いのではないでしょうか。

あっという間に一日が終わり、
気づけばまた朝が来て、
そして、また時間に追われる一日が始まる。

「もっと、ゆっくり生きられたらいいのに」
そんなふうに思ったことがある人も、きっと少なくないはずです。

特に、勤勉国家・日本では、
ゆっくり生きること自体が、どこかネガティブに捉えられがちです。

「最近どう?」

「いや〜、暇ですよ」

本来なら、自分の時間を大切にできている、
とても豊かな状態のはずなのに、
「暇」という言葉は、なぜか言い訳のように使われてしまう。

まるで、いけないことのように。

そんな社会の中で、
時間に追われ、
人との関係や、さまざまなしがらみに縛られながら、
毎日を余裕なく過ごしている——
そんなあなたに向けて、今日は少しだけ、立ち止まって考えてみたいと思います。

教育の話からは、ほんの少し離れますが、
いつものように、
ただの空手道師範のひとり言として、
気楽に読んでいただけたら幸いです。

肩に乗っている「重荷」の正体とは?

「肩の重荷を下ろすと、楽になる」
よく聞く言葉ですが、
そもそもこの“肩の重荷”とは、一体何なのでしょうか。

社会生活を送る中で、いつの間にか自分にまとわりついてくるもの。
それは、「責任」であり、「しがらみ」であり、
そして「義務」と呼ばれるものかもしれません。

それらが積み重なり、
気づけば、あなたの肩に重くのしかかっている。
多くの人が、そんな感覚を抱えながら日々を過ごしています。

もし、その「重荷」が、
社会の中での自分の立ち位置によって生まれているものだとしたら——
その重荷を下ろすためには、
立ち位置そのものを変えればいい、
そう考えることもできるでしょう。

ここで、少し極端な例で考えてみます。

例えば、これから先、
誰とも関わらず、社会生活からも完全に離れ、
たった一人で生きていくとしたらどうでしょう。

そこには、人との関わりも、社会との関わりもありません。
「責任」も「義務」も、誰かに対する役割もなくなります。

一人ですから、
時間に縛られる必要もなく、
時間に追われることもありません。

まさに、
肩の荷がすべて下りた状態です。

しかし、その代わりに、
あなたが断ち切った人との関わりの中には、
大切な家族や、友人、仲間、同僚——
そうした存在も、すべて含まれているはずです。

社会から距離を置くことで、
自分の目標や、役割、使命といったものも、同時に失われていきます。

そう考えると、
今、あなたの肩に重くのしかかっているその重荷の正体とは、
あなたが本当に大切にしている人や、もの
なのではないでしょうか。

頑張るとは、無理を続けている状態

日々の生活を、懸命にこなしている。
「今日も一日、頑張ろう」
そう自分に言い聞かせながら、一日を始める人も多いでしょう。

この「頑張る」という言葉は、
日本では、とても前向きで、良い言葉として使われます。

けれど、こんなふうに教わったことがあります。

頑張っている状態とは、
無理をしている状態、
背伸びをしている状態である。

例えば、少し高い場所にある物を取ろうとして、
一瞬だけ背伸びをする。
それくらいなら、さほど負担には感じません。

けれど、その背伸びした状態が、
もしずっと続くとしたらどうでしょうか。

やがて足は疲れ、
身体は耐えられなくなり、
バランスを崩してしまうかもしれません。

今、もしあなたが、
今の生活に重荷を感じているとしたら——
それはきっと、
頑張り過ぎているからなのだと思います。

あなたが今、頑張らなければならない理由。
それは、与えられた「責任」であり、「義務」であり、
そして、人との関わりの中で生まれた「しがらみ」。

けれど、それらはすべて、
あなたが大切に思う人や、
守りたいもののために背負っているものでもあります。

頑張り続けている人ほど、
今の状態が「当たり前」になっていて、
頑張らなければ生きていけない、
そんなふうに感じてしまうものです。

だからこそ、
少しだけ、立ち止まって考えてみてください。

今、頑張り過ぎていることを、
ほんの少し楽にしてみる。
少しだけ、背伸びをやめてみる。

それは、日本人の感覚からすると、
怠慢に思えてしまうかもしれません。

けれど、
「休むこと=悪」
「頑張り続けること=正義」
という考え方そのものが、
もしかすると、間違った思想なのかもしれません。

古賀道場が育てる「志」

古賀道場では、
技を磨くこと以上に、
心を育てることを何より大切にしています。

その中でも、特に大事にしているのが
「志」を育てるということです。

では、
「志」とは何でしょうか。

よく耳にする言葉ですが、
いざ説明しようとすると、
意外と難しく感じるものです。

古賀道場では、
「志」をこのように捉えています。

志とは、人の幸せを、自分の幸せだと感じる心。

自分の幸せは、
誰かの笑顔や、誰かの成長の中にある。
そう考える生き方です。

ここで、今回のテーマと重なってきます。

あなたが感じている「重荷」の正体。
それは、
誰かを大切に思い、
誰かのために生きようとする中で生まれたもの。

もし今の生き方に辛さを感じているのなら、
今一度、
この生き方は、もともと誰のためのものだったのか
を思い出してみてください。

そして、それは、そんなに無理をしないといけないものなのか
を深く考えてみてください。

その問いに向き合うことで、
「辛い」が「幸せ」に変わる瞬間が、
きっと見えてくるはずです。

古賀道場では、
この「志」を育てることで、
誰かのために生きることが、
苦しみではなく、喜びとして感じられる——
そんな心を育てる稽古を続けています。

さいごに

あなたが感じている肩の重荷は、
あなたが幸せにしたいと思っている人の笑顔なのだと考えてみてください。
そう思えたとき、その重さは、少しずつ違うものに変わっていくのかもしれません。

あなたが、
「この人を笑顔にしたい」
そう思い浮かべられる顔があること。
それ自体が、とても大切なことなのだと思います。

それでも、
ついつい頑張り過ぎてしまうあなたへ。

疲れたと感じたなら、休みましょう。

いつも頑張っているあなたが、
少し立ち止まったとしても、
誰も、文句は言いません。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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佐賀で暮らす人の
「日常のすぐそばにある物語」を
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古賀 大之

空手道師範として17年間、武道を通じて青少年の育成に携わってきました。
その経験をもとに、学校教育では得られない新しい学びの形を探求しています。
武道で培った教育の知恵を活かし、子どもたちの未来を切り拓くことが私のライフワークです。

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