ランチェスター戦略は、『弱者が強者に勝つための理論』と言われており、競争の中で勝ち筋をどのように見出すかを非常に実践的に戦略化したものです。
本記事では、歴史から戦術、実戦での流れに至るまで、初心者でもわかりやすくでまとめています。

ラチェスター戦略の歴史
戦場の数理モデルからビジネスへ
ランチェスター戦略の起源は、第1次世界大戦期に英国の工学者フレデリック・ランチェスターが提唱した「戦闘法則」です。彼は、戦闘の結果が“兵力×武器の有効性”という数学モデルに従うと導きました。
その後、アメリカの米軍で軍事研究・オペレーションズ・リサーチとして発展しました。兵站や作戦の最適化に応用されています。
日本でも普及
戦後、日本では中小企業のマーケティングや営業戦略として広く普及しており、「弱者が強者に勝つための方法論」として、特に局地戦・一点集中戦略が実務で支持されてきました。
ランチェスター戦略で言う“弱者”と“強者”
強者とは
- 資源や資金が豊富である
- 広範囲の市場をカバーできる
- 面(広域)の支配が可能である
弱者とは
- 人・物・資金・知名度などの資源が限定である
- 広域戦は苦手としている
- 勝つには「狭い市場を高密度で攻める」必要がある
ここで重要なのは、強者・弱者は市場領域ごとに変わるという点です。同じ企業が、地域や用途によって“強者にも弱者にもなる”のです。

同じ企業でも市場や立場で強者と弱者が入れ替わるということもあり得ますね!
そして簡潔に説明すると、市場でのシェア率が26.1%以上でトップの場合を『強者』、その他を『弱者』としてランチェスター戦略では捉えられます!
ランチェスター戦略に基づく弱者の5つの戦術
弱者が勝つための代表的な戦術をわかりやすく解説します。
局所戦
市場を「極限まで狭く」設定し、リソースを集中投下します。
例:地域を1区に絞る、業種を特定する、用途を限定する
→ 認知と関係性の密度が競合に勝るようになる

地域密着型のビジネスやインドカレー専門など絞っていくことですね
一騎打ち
「誰からシェアを奪うのか」を明確にします。
特定の競合 A 社にターゲットを絞り、そこに向けて連続して刺さる提案を行います。

「日本の保険会社から入っていたら一度話を聞いてください」と外資系の保険会社の方が言うセリフですね!
接近戦
顧客との距離を“物理的にも心理的にも近づける”戦術。
訪問頻度、導入後の密着支援、カスタム対応など、頻度×質で勝ちます。
大手やチェーン店では難しい直接的な関わりも大事になります。

「実際に会う」「SNSで関わりを持つ」とこで、単純接触効果も期待できますね!
一点突破主義
これは局地的に量的優位の局所展開とも言います。
製品やサービスの“1つのキラーポイント”を圧倒的に磨きこみ、局所的に人員や資金を投入して勝つ方法です。
その後、突破口が開いたら隣接市場へ横展開も考えてよいでしょう。

かのナポレオンはこの考え方を用いて、少ない兵力で連戦連勝でした。桶狭間の戦いの織田信長もそうですね。
奇襲攻撃
これは強者が気づいていない角度から攻める方法です。
例:
- 新しいチャネル(コミュニティ経由)
- 時間軸のズラし(深夜対応)
- 価格体系の変革(小額課金・サブスク)

「朝専用缶コーヒー(モーニングショット)」なんかもこの戦略の一つですね。
一方、市場でのシェアが26.1%以上でトップである場合は、弱者が行う戦略を真似するだけで勝つことができます(ミート戦略)。
過去の日本でも松下幸之助は「松下マネシタ戦略」とも言われ、徹底的に弱所を真似して、且つ大量生産を行う戦略をとりました。

ランチェスター戦略で注意すべき5つの原則
簡単に真似されない差別化
価格やキャンペーンはすぐに模倣されます。データ、ノウハウ、プロセスなどの“模倣困難性”を組み込みましょう。

一番やってはダメなことが『価格競争』です!
顧客が望む差別化
スペックではなく、現場ユーザーの「本当に助かること」が価値となっていき、ニーズへと変化していきます。

奇抜にすれば良いわけではないです!
差別化は1つではなく“組み合わせ”で相乗効果
例:
- 安い×早い×美味いなどの掛け合わせ
- 建設会社×不動産業や建設会社×解体業など関連事業の組み合わせから、筋トレ×介護事業などの掛け合わせなども
- 導入スピードや定着支援、ダッシュボードの可視化の組合せ
このような考え方で競争優位の再現性が高まります。

このような考え方をダブルシンキングと言ったりします!
他業種の常識がヒント
異業種の成功方法を自業界に持ち込むことで、競合が気づかない差別化になることも多い。
カーコンビニクラブは、今まで自動車修理になかったチェーン店化や料金の明瞭化、立ち寄りやすさを他業種を参考に取り入れました。
小手先ではなく理念を大切にする
短期的テクニックは限界がある。
一方で「なぜこの市場で戦うのか」「なぜその事業を行うのか」という理念があることで経営にブレがなくなり、迷わず動けるため、生産性・再現性が高まるといわれています。

理念には、存在意義(Purpose)、価値観(Value)、行動基準(Principles / Creed)を意識して作っていきましょう!

実戦での流れ
立ち上げの5W1H
- Why:なぜ事業を行うのかという理念
- Who:顧客やライバル、人材は誰になるのか
- What:商品は何なのか
- When:先発なのか後発なのか、成長過程
- Where:領域と地域
- How:接近戦か一点突破か、KPIの決定などの戦略
グーパーチョキ理論
ランチェスター実戦の運用をシンプルに表したものです。
- グー(突破):一点突破を行い既存顧客の定着と成功事例化
- パー(速攻拡大):弱者に対して足下攻撃を行いシェアの拡大
- チョキ(整理、確保):強い事業を残すやコストカットなどの生産性向上
まとめ:ランチェスターの本質は“資源密度”で勝つこと
弱者が勝つには、
- 広く戦わずに局所的に戦う
- 狭い領域で密度を上げる
- 差別化を組み合わせて相乗効果を生む
- 理念を持ち、一貫した戦い方を続ける
この一貫した流れが、ランチェスター戦略の実務で最も重要なポイントです。
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